美容室の化粧品

私はその化粧品を使った美顔の講習会に参加し、技術も少しずつ習得していきました。今思い出しても、その時のテクニックはとても良いものだと思います。技術を習得しながら、多くの知人に助けられ、やがて美容材料会社に化粧品を卸すようになり、美容室にも出入りができるようになりました。朝8時に美容材料の会社へ出社し、営業マンの車に乗せてもらつて、1日8軒.10軒の美容室を回るのです。「今度、この化粧品を使った美顔の講習会があります。ぜひ受けて下さい」と、美顔の講習会への参加をお願いし、受講する人を集めました。3ヵ月の講習が始まると、1カ月に1回、東京から先生がいらつしやつて講習会をおこないます。その後、次の講習会までは美容室に出向いて練習や試験をするのが私の役目です。美容室での練習は、美容室が閉店した後の午後8時とか9時から始まり、終わるのは夜中の‐2時を過ぎることもよくありました。l日16時間労働という状態は、23歳から結婚する30歳まで続きました。

 

 

能力はさほどなくても、人の倍働けば、どうにかなることをこの時に学びました。講習が終わると美容室に化粧品を置いてもらい、美容師がお客様への美顔をするようになるのですが、1回目の美顔は私がさせてもらいます。私も美容室へ行って、お客様を呼んでもらつてカウンセリングをしながら、美顔を行うのです。そしてその時にお客様にキープ用の化粧品を買って頂き、その後も美顔に通うというシステムでした。私は「お客様の肌の状態はこうですから、このようにしたほうがいいですね」とアドバイスしたり、食事指導や生活指導などをしながら美顔の施術をしたりしているうちに、急に23歳で美顔の大先生のように扱われるようになりました。化粧品の成分などの知識を加え、 一人ひとりのお客様に対応できるようにしました。薬剤師になろうと思っていたことが関係しているのかもしれません。もちろん、美顔の技術もかなり熱心に勉強しました。